今回は、トレチノインに関する有名な研究論文をご紹介します。
突然ですがここで質問です。
この患者さんはどのような治療を受けたでしょうか?想像してみてください。

Am J Clin Dermatol. 2005;6(4):245-53. PMID: 16060712
答えは…
トレチノインクリーム0.05%+日焼け止め(SPF30)を24ヶ月
レーザーなど他の治療は行っていません。
私が初めてこの画像を目にした時、外用だけでここまで変化が出せるのかと大変驚きました。
トレチノインクリーム0.05%の光老化に対するランダム化比較試験
Am J Clin Dermatol. 2005;6(4):245-53.
PMID: 16060712
この研究では204人の被験者を対象に、トレチノインクリーム0.05%またはプラセボを1日1回、最長2年間顔全体に塗布しています。結果の一部を引用しますね。
・治験責任医師による臨床効果の総合評価において、プラセボに比べ有意に光老化症状の大きな改善がみられた(p<0.05)。
・組織学的評価ではプラセボと比較して、ケラチノサイトやメラノサイトの異型性の増加、弾性線維の変性や角層への有害な影響は認められなかった。
・免疫組織化学的研究では、12ヵ月目にプロコラーゲン合成のマーカーである顔面のプロコラーゲン1C末端がプラセボに比べて有意に増加した(p=0.0074)。
いかがでしょうか。皮膚に塗布するだけでこれほどの効果を出せるのはすごいですよね。
ただし注意しなければいけない点があります。
日本人の肌は欧米人に比べトレチノイン外用による副作用(皮膚炎など)が出やすく、0.05%で外用をはじめると顔が真っ赤になって皮剥けがおこる可能性があります。
効果的に治療を行うために、特別な化粧品を使用したりごく低濃度から肌をならしていくこともあります。トレチノインは必ず医師の指示のもとで使用しましょう。
まとめ
トレチノインの長期外用により、しわなどの光老化症状を改善することができる。
トレチノインは必ず医師の指示のもと使用する。


