【論文紹介】内服トラネキサム酸の容量/期間についてのエビデンス。

美容

肝斑の治療をしていく上で欠かせないのがトラネキサム酸の内服です。
日本の医療機関で処方される場合は250mgを1日3回服用するのが一般的ですが、クリニックによっては250mg×2回や500mg×3回など飲み方が異なりますので患者さんはしばしば混乱します。

(ちなみに薬局で購入できるトラネキサム酸製剤であるトンランシーノEXは375mg×2回という飲み方をします。)

服用回数や容量によって肝斑に対する効果は違うのでしょうか?論文を2つ紹介します。

トラネキサム酸内服に関するエビデンス①

Indian J Dermatol Venereol Leprol 2023 Jan-Mar;89(2):189-194.
PMID: 36332095

2023年に発表されたメタアナリシスで、6件のランダム化比較試験が分析対照となっています。
結論の一部を引用します。

・最適用量は1日3回250mgを12週間投与することである。
・服薬アドヒアランスが低い患者には1日2回250mgの投与も許容できる選択肢である。

このように現在日本でもよく処方されている量が効果的であると結論づけられていました。

トラネキサム酸内服に関するエビデンス②

Indian J Dermatol. 2023 Mar-Apr;68(2):178–185.
PMID: 37275826

こちらも2023年に発表されたレビューで、2012年から2022年の間に発表された25件の臨床試験がまとめられています。これらの試験結果をふまえ、トラネキサム酸の内服による肝斑治療に関するコンセンサスがまとめられていたので重要な部分を紹介します。

・経口トラネキサム酸 250mgを1日2回投与することは、肝斑に対する有望な治療選択肢であると思われる。
・経口トラネキサム酸による治療では、少なくとも3ヵ月間の治療が必要であるが至適治療期間は不明である。
・文献および専門家によると、トラネキサム酸は最大6ヵ月間投与できる。
・ホルモン避妊薬を併用している女性には、経口トラネキサム酸による治療を行ってはならない。
・経口トラネキサム酸による治療を開始する前に、活動性の血栓塞栓性疾患の存在または血栓症または血栓塞栓症の既往歴/リスクを除外すべきである。
・再発した場合はトラネキサム酸を再投与してもよい。しかし、休薬期間については、特段の推奨はない。

肝斑の増悪寛解には多くの因子が関わり、かつ評価の指標に主観が入るため治療効果の評価がとても難しいです。ですがこれらの文献を見る限り、今のところ日本で一般的に行われている治療は妥当と言えそうです。

治療期間についても6ヶ月ごとに休薬期間をおくよう指導しているクリニックが多いですよね。
(市販薬だと服用期間はより短く記載されています。)

美容皮膚科の教科書には重症度に応じて容量を増やす場合があると記載されており、実際にそのようにしている先生もおられます。経験的には容量が多いほど効果が高いと言われていますので、今後のエビデンス蓄積に期待したいところです。

まとめ
トラネキサム酸の内服容量は250mg×2〜3回くらいが有効である可能性が高い。